「葬祭業界での働き方」について聞いてみた!
公開日:2023-09-04
葬祭ジョブには、葬祭業界での勤務経験がある転職エージェントが複数名います。
今回はそんなエージェントに、葬祭業界で働くことになったきっかけや、やりがいなどを聞きました。


葬祭ジョブ 転職エージェント
藤井
大学生のころに互助会系葬儀社にてアルバイトを経験後、新卒で葬儀社に入社。
3年間経験を積んだのち、結婚を機に葬祭ジョブに入社。

葬祭ジョブ 転職エージェント
竹村
幼少期に母を亡くした経験から、葬祭業界への挑戦を決意。
大学卒業後に互助会系葬儀社にて4年間経験を積んだのち、葬祭ジョブへ入社。


葬祭業を志した理由は?転職エージェント二人の場合

本日はどうぞよろしくお願い致します。
まずはお二人が葬祭業に挑戦された理由を教えて下さい。

藤井:通っていた大学の学部が仏教学部で、仏教や宗教に関する勉強をしていました。ですから、将来的に働くなら、勉強した内容に関係する仕事が良いなとずっと考えていたんです。

その関係で、大学在学中のアルバイト先として葬儀社を選びました。セレモニースタッフや配膳のお仕事をしていたのですが、とても楽しかったですし、大事なタイミングで誰かの力になれるお仕事だとも思えたので、卒業後も同じ業界で働くことを選びました。

セレモニースタッフのお仕事内容はこちら

竹村:私の場合、幼少期に母を亡くしたことがきっかけで、葬儀のお仕事が存在することを知りました。
その後、就職活動をするにあたり「自分の持ち味はなんだろう?」と考たことがあって、その時に「困っている人のサポートをしたり、寄り添えること」なんじゃないかと思ったんです。

また、葬祭業も医療業界と同じように人の命に携わるお仕事ですから、今後も必要になるお仕事だとも考えました。
ですから、今後長く働けることと、自分の持ち味を生かせることの2点で葬祭業界に挑戦することを決めました。

ただ私の場合、実際に葬儀の現場で働いたのは半年から1年ほどで、その後は営業や新規部署の立ち上げなどに携わっています。

実際に葬祭業界で働いてみていかがでしたか?ぜひ率直な感想を聞かせて下さい。
藤井: 葬祭ディレクタ-という、葬儀の責任者としてご遺族と関わるお仕事ももちろんですが、アルバイト時代にやっていた配膳やセレモニースタッフといった業務も、とてもやりがいのあるお仕事でした。

葬祭ディレクターのお仕事内容はこちら

葬儀が行われる2日間のうち、配膳やセレモニースタッフはほんの数時間しかご遺族と関わらないような業務ですが、しっかりやればご遺族がとても感謝してくださるんです。
また、皆さまに満足してもらえるような式を施行できたときの達成感もあります。学生時代の文化祭的な感覚が毎日続くといいますか、毎日刺激を感じられるのが特徴だと思います。

葬祭ジョブのような転職エージェントのお仕事の場合、求職者1人のサポートに長い時は3か月以上かかります。結果が見えるまでに時間がかかるお仕事なんですよね。
それに比べて葬儀の場合、打ち合わせから施行までの期間が短いため、企画を立ててから数日後には結果が見えるというのも特徴だと思います。

竹村さんはいかがですか。
竹村: 葬儀は失敗があってはいけないものですから、そのような重い責任を感じながらご遺族の希望に沿ったプランを作成したり、式の設営を進めるのはとてもやりがいがありました。

私が勤めていたのは互助会系の葬祭企業だったので、何十年間も積み立てている方々の葬儀を担当させていただいていました。
葬儀の内容次第では「私も互助会に入ろうかな」とご遺族や参列者様からお声がけをいただけますし、ご友人から評判を聞いたというお話もよく聞きましたので、人づてに伝わる会社の評価も意識しながらやっていました。

自分の対応が会社全体の評価につながるという責任と、ご遺族からいただける感謝の言葉が私のやりがいでした。

藤井:あと、葬祭ディレクターの場合、お客様のご意見を聞いたうえで、どんな葬儀が一番いいのかを考えながら提案するという点もやりがいだと思います。
たとえば、予算を優先する葬儀の場合であれば、ただ決まったプランを提案するだけでなく、色々なサービスを組み合わせて最適な予算で、最適な葬儀が行えるように工夫することも必要となります。

私が葬祭ディレクターをしていた会社は、お客様の要望をきちんと尊重できる会社だったので、そういう環境であればよりやりがいを感じられると思います。

葬儀社の種類についてはこちらでご紹介!

ありがとうございます。葬祭業経験のあるお二人が考える、納棺師さんのやりがいにはどんなものがあると思いますか。
藤井:私は納棺師の経験はありませんが、納棺式をする予算がないお客様向けに、ご遺体をきれいに整えるサービスをしていたことがあります。

納棺師のお仕事内容はこちら

一度、明らかに隠した方が良い傷跡がお顔にあるご遺体の対応をした際に、試行錯誤した結果きれいに傷を隠すことができたんです。
そのとき「ちゃんと技術のある人がやったら、きっともっときれいに仕上がるはず。そんなスキルを持ってケアができたら達成感があるだろうな」と思ったことがあります。

納棺師は技術職ですから、毎回の仕事で技術が磨けますし、ご遺族や故人様に一番近いところでやる仕事なので、きちんとできればご遺族にもとても感謝されるお仕事だと思います。

納棺師と葬祭ディレクター、どんな人がそれぞれのお仕事に向いていると思いますか。
藤井:技術職と総合職という点で、かなり違いがあると思いますね。
自分でコツコツやりたいタイプの人や、臨機応変な気配りや対応が苦手な人は納棺師の方が向いている気がします。

また、単純にご遺体に触れることに抵抗を感じてしまう方もいらっしゃいます。
納棺師の場合は、採用選考の過程で必ず現場見学がありますから、そこでご遺体と向き合えるかどうか確認すると安心ですね。

逆に、お客様と直接やり取りをしたい方や、コミュニケーションに自信がある方は、ぜひ葬祭ディレクターに挑戦していただきたいです。特に分業制の会社の場合、チームでひとつの葬儀に取り組みますから、みんなで乗り越える達成感も得られると思います。

葬祭ジョブに登録してくださった方から「未経験でも葬祭業界に挑戦できますか?」とよく質問がありますね。この点はお二人から見てどうですか。
藤井:覚悟があれば問題ないと思います。
専門的な知識と技術を身につければ一生続けられるお仕事ですし、それぞれに特化した資格試験もありますから、自分の技術をどこまで高められるか?という追及もできるお仕事です。
葬祭ディレクターであれば、どの業界でも通用する営業職としての経験も積めると思います。

竹村:基本的なマナーも身につきますしね。
営業の面でいうと、自分の親世代、祖父母世代の人たちをお客様にする事が多いので「この人に任せて大丈夫かな?」と思われてしまわないように、大人な雰囲気や落ち着いた対応力も身につくと思います。

藤井:あと、普通に仕事をしていたら、50代60代の会社社長に頼られることってあまりないと思いますが、そういった目上の人とのやり取りも多いので、自然と度胸も身につく気がします。

ご遺体の対応だけじゃない、葬儀社で働くうえで大変なこと

では、少し聞きにくいお話ですが、ご遺体に関してです。よく登録者さんからもご質問をいただきますが、ご遺体の見た目に関してはどうでしょうか。
竹村:そうですね、私も入社前に色々なご遺体の対応をすることになると聞いてはいましたし、実際対応もしてきました。
ただ、子供のころから割と多くの葬儀に参列していたからか、耐性があったようで、あまり気にならないことが多かったです。

たしかに目をそらしたくなるようなご遺体もありますし、場合によってはご遺族とご遺体が対面できないこともあります。
そのようなケースでは、私たちが故人様と最後に対面することになるわけですから、そういった意味でも仕事としてしっかり対応しようというのは決めていました。

藤井:私の場合、アルバイトをしていた3年間で200~300件程度の葬儀を経験していますが、その中で対面ができない状態のご遺体は1件だけでした。
その他はエンバーマーさんが修復してくださったり、納棺師さんが整えてくださって、何とかなってしまうことが多いようです。

エンバーマーのお仕事内容はこちら

正社員として入社してからの3年間では、総施行数が600件程度だと思うのですが、その中でご対面がかなわなかったのは3件でした。

扱う案件は葬儀社によっても違いがあって、普通の町の葬儀社であれば、こうした対面が難しいご遺体の葬儀を行うことは少ないと思いますね。

なるほど。たとえば交通事故で亡くなった場合のご遺体でも、対面はできることが多いんですか。
藤井:事故で亡くなった場合でも、対面は問題ないことが多いですよ。
どうにもならないケースもあるので、必ず対面できるわけではないのですが、お布団や服で隠したり、メイクを施すことできれいになることもあります。

竹村さんは対面できないご遺体の葬儀を担当したことはありますか。
竹村:助っ人としてあちこちに呼ばれることが多かったのですが、その時に警察署で検死を受けていたり、事件性がないか捜査された後のご遺体の葬儀を担当したことがありますね。

自死や、交通事故、死後発見が遅れた方や、山奥で亡くなった方も対応しましたが、表情には出さず黙々とサービスを進めることを大切にしていました。

藤井:私もそうでした。
初めて警察署に行って、ご遺体を引き取るときはすごく緊張しました。
ご遺体がファスナーの付いた袋の中におさめられているのですが、どんな状態か分からないご遺体ですから、ファスナーを開けるときはとてもドキドキしましたね。
ただ開けてみたら「やっぱり大切な故人様だよね」と頭が切り替わったので、その後は全く問題ありませんでした。

人によってはご遺体への抵抗感よりも、老人的な匂いや、長期間介護された人特有の匂いがだめ、というケースもあるようです。

竹村:たしかに、匂いがダメという人は意外と多いですね。
見た目は慣れるのですが、匂いはなかなか慣れるのが難しいんです。
仕事として割り切れば気にならないという人もいますから、匂いに関しては人それぞれですね。

ではこの流れで、葬儀のお仕事の大変さを他にも教えてもらえますか。
藤井:ご遺族の対応ですね。
葬儀にもいろいろありますが、特に悲しみの感情が強い葬儀は、仕事で対応しているはずの自分まで泣きそうになってしまうことがあります。

やはりプロなのでぐっとこらえますが、感受性については人それぞれなので、涙もろいタイプの人は大変かもしれませんね。

また、こうした悲しみの感情が強い場合、葬儀の打ち合わせや準備が大変なことが多いです。たとえば若くして旦那さんが亡くなって、ご両親、奥様、お子さんを残されているような状況だと、本当に難しいですね。

葬儀を行うにはやはりお金が必要ですから、どうしてもお金の話をしなければいけません。受け入れていただけないと打ち合わせそのものができずに、日にちだけが経ってしまいます。

ディレクターとしては、そこをどうまとめるか?というのが難しいと思いますね。

そのような打ち合わせの時には、どういった対応をしていましたか。
藤井:通常、葬儀の打ち合わせで最初に決めるのは日程や場所なのですが、その話はちょっと置いておいて「思い出のお話でもしましょうか」とご提案をしたりしていました。アルバムを見せていただいて、その流れで遺影写真のお話をしたり、会話の流れから自然に葬儀の打ち合わせに移行するように意識していました。

とにかく落ち着いていただけるようにお話をしつつも、必要なことはきちんと聞いていく、ということですね。

ただ、1人でたくさんの件数をこなさなければいけないような葬儀社だと、1件の打ち合わせに3時間も4時間もかけられないという会社もあると思います。

葬儀の依頼は突然きますから、1週間暇な時もあれば、1日に5件、6件と依頼がきて、人手が足りなくなって、施行日程もパズルのように組み合わせる……なんてこともあります。

竹村:打ち合わせがあと30分で終わらないと、次の打ち合わせに間に合わない!みたいなこともありますね。

ちなみに、1日に最大何件くらいの葬儀が平行して行われていましたか。
竹村:私が働いていた会社の場合、4つの式場が1つの施設の中に入っていました。
その4つの式場すべてで午前中に告別式を行って、全部片づけてから、お通夜をすべての式場で行ったこともあります。

すごい過密スケジュールですね、大きな会社特有かもしれませんね。
竹村:そのような日は、とにかくスケジュールがタイトですから、少しでも出棺の時刻が遅れてしまうと、火葬場に間に合わないなんてこともあります。

それでも、お棺を閉める前には「お顔を合わせるのは最後です」とお声がけをして、棺にご遺族や参列者様が集まれるお時間をしっかりとる必要もあります。
ご遺族の感情に寄り添いつつも、何を優先するのか、仕事としてどう割り切るのか、といった点は難しい問題ですね。

参列者という視点で見ているだけではなかなか分からない難しさですね。
藤井:私の場合は小さな会社で、社員は私を含めて5人くらいでした。
火葬だけの葬儀なら1日3件くらい対応できましたが、告別式やお通夜などをしっかりやる葬儀や、規模の大きな葬儀になると、1日2件が限界というかんじでしたね。

葬儀件数は、時期によって違いはありましたか。
竹村:寒い時期になると、体調の問題なのかご依頼件数が増える傾向にありますね。10月から12月はやはり忙しいです。

藤井:それは大きい会社も同じなんですね。私がいた会社も冬場は忙しかったです。

かなりイメージが湧いてきました、ありがとうございます。

「分からないからこそ!葬祭ジョブを使ってほしい理由」に続く!


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