株式会社まなか
代表取締役:宮嶋 良任さん
今回インタビューをさせていただいたのは、株式会社まなかの代表取締役 宮嶋様(右)と、葬祭事業部課長 岩本様(左)のお二人。
葬儀会社の中でも異色のサービスや商品を取り扱う株式会社まなか。
前編では同社が開発し提供する様々な商品やサービスについて、どういった経緯で誕生したのかを中心に伺います。
社長:はい、お墓参りというのは家族が集うタイミングですよね。家族がつながる時間です。
お墓参りを通じて、自然と家族がつながることが増えて、当社のお墓が良いと思ってくださる方が集まって、そしてそれはコミュニティの形成に繋がっていくと考えています。
そうして、もともとお寺が持っていた地域のコミュニティとしての機能を取り戻したいと思っています。あの場所に行けば何かしら救われるとか、学ぶことができるというようになったらいいですね。
きっかけは点でしかないと思いますが、何十年と使い続けていくことで、自然とそういった線でつながったお墓になってほしいと思っています。
お墓のデザインだけではなく、家族や地域とのつながりといったところまで訴求されているんですね。
社長:そうですね、そういった部分も商品の大きな価値として考えています。
当社では、墓石事業は常にお寺とともに進めてきましたから、お寺の持っている地域コミュニティとしての機能を取り戻しながら、時代に合わせたお寺づくりをコンサルティングしています。
実はその延長線上で収骨事業も手掛けていて、納骨堂や樹木葬、霊園づくりなども行っているんです。こうした事業にご興味をお持ちいただけるお寺がかなり増えてきていることもあって、コロナ禍となったここ2年くらいの間、この事業への投資を進めてきました。
今はもちろんメイン事業としてお墓の運営や寺院コンサルティングを行っていますが、こういった収骨事業もこれからさらに盛り上げていけたらいいなと思っています。
なるほど、時流に合わせてお墓だけでなくお寺も巻き込んでいくという事ですね。
そうなるとやはりご苦労も多いのではないでしょうか。
社長:まなかと一緒にビジネスをやりたいと言ってくださるお寺が多いので、あまり苦労は感じません。 ただ対等なビジネスパートナーで、お互いにできる事とできない事が違いますし、お寺の目線に合わせなければいけない事もありますから、難しいこともあります。
そういった意味では、丁寧にやりとりを進めるよう心掛けています。
自分の所有しているお墓がどんな形で、誰が眠っていて…というようなお墓情報がスマホで確認できるもので、チャットを使ってお客様とお話ができるだけでなく、法要などのご連絡や情報発信もできるんです。
このサービスを開発したきっかけは、お墓というのが「売って終わり」になってしまう商品だと感じたからでした。
何か不安なことがあったら相談もできて、これまでは点で終わってしまったお客様とのつながりを線に昇華していけたらと思っています。
そうすることで陰ながらお客様を支えつつ、お客様の手を合わせる環境を整えるお手伝いができたらいいなと。
とはいえ、現実まだ「当社のお墓が欲しい」といって買いに来てくださるお客様は少ない状況です。仏壇や位牌は「欲しくて買いに来ました」とおっしゃってくださる方が多いんですけどね。
この状況はお墓に限った話ではなく、お葬式も同じで「まなかのお葬式が良い」と言って来てくださるお客様はまだまだ少ないです。
お葬式も会社ごとに違いや差がたくさんありますが、お墓以上にサービスの内容よりも価格や印象でとらえられることが多い商品だと感じます。
確かに葬儀の場合、お客様にはなかなかこだわりや違いが伝わりにくいでしょうから、そういった観点からとらえられることが多そうですね。
社長:そうですね。ですから差別化を図らなければならないのですが、葬儀は形のない商品ですからとても難しいんです。
そこで当社のお葬式が他の会社と違う点は何かと考えてみると、受注至上主義ではないというところが最大の違いだと思っています。
どうしても会社のゴールは受注になってしまうことが多いですが、受注というのは本来お客様との関わりのスタート、お葬式のスタートでしかありません。
それに、お客様がお葬式に何を求めているのかを考えると、葬儀中に何かイベントがあったり、心に残る何かをしたということではないんじゃないかとも思いました。
我々が葬儀のプロとしてやるべきことは、故人様と最後にしっかりと向き合える時間をご提供すること、それを徹底することではないかと思っています。お客様が後悔なく心残りのないお別れができて、そこから初めてご供養がスタートする。
葬儀会社ごとに様々な考え方があると思いますが、これがまなかのお葬式の考え方です。
ですから、そうした葬儀を提供することで、お客様が故人様へ手を合わせるスタートラインに立って頂ければ、良い葬儀が提供できたと思えるのではないかと考えています。
おっしゃる通りですね。
社長:やはりそういった葬儀を目指したいなと、ずっと強く思っています。 葬儀を行って、まずはご供養のスタートラインに立っていただく。そこから前を向いて歩いていけるような故人様との関係性を作っていただきたいというのが当社のお葬式なんです。 そういった葬儀の時間を提供することで、その後のお墓や仏壇といった長期的な繋がりまでを自然と作れるのではないか、というお考えなのですね。
社長:そういった形を作っていくことが今の一番の目標ですね。
ただやはり難しいのが現実です。墓石や墓地についても地域性がありますし、欲しくても買えない、場所が遠いということもよくあります。また当社の仏壇の場合も形が独特なものですから、「昔ながらの仏壇を購入します」という方もいらっしゃいます。
ですが、お墓を購入された方や仏壇を購入された方が、当社で葬儀をあげたいと言って来て下さることはあるのではないかと思っています。やはりお墓や仏壇はターゲットとなる属性が狭く、当社との親和性が高い方が多いので、将来的には葬儀についてもそういったお客様を獲得できたらいいですね。
【インタビュー後半はこちら】
葬儀会社の中でも異色のサービスや商品を取り扱う株式会社まなか。
前編では同社が開発し提供する様々な商品やサービスについて、どういった経緯で誕生したのかを中心に伺います。
株式会社まなか
代表取締役:宮嶋 良任さん
2008年に代表取締役社長に就任。
以来独自商品を多数開発し、成長を続ける会社の要。
代表取締役:宮嶋 良任さん
2008年に代表取締役社長に就任。
以来独自商品を多数開発し、成長を続ける会社の要。
株式会社まなか
岩本 健太さん
2016年に株式会社まなかに葬祭ディレクターとして入社し、現在は採用活動も担当している。
岩本 健太さん
2016年に株式会社まなかに葬祭ディレクターとして入社し、現在は採用活動も担当している。
お墓づくりはコミュニティづくり!ビジネスパートナーのお寺との霊園開発
株式会社まなかが販売する「川口草加霊園 はじまりの杜」は、寺院に併設されている。ペットも一緒にお墓に入れるほか、樹木葬や永代供養も行っている。また墓地内には散歩コースがあり、季節の花も咲く同社のこだわりが詰まった空間となっている。
新しいコミュニティですか!社長:はい、お墓参りというのは家族が集うタイミングですよね。家族がつながる時間です。
お墓参りを通じて、自然と家族がつながることが増えて、当社のお墓が良いと思ってくださる方が集まって、そしてそれはコミュニティの形成に繋がっていくと考えています。
そうして、もともとお寺が持っていた地域のコミュニティとしての機能を取り戻したいと思っています。あの場所に行けば何かしら救われるとか、学ぶことができるというようになったらいいですね。
きっかけは点でしかないと思いますが、何十年と使い続けていくことで、自然とそういった線でつながったお墓になってほしいと思っています。
お墓のデザインだけではなく、家族や地域とのつながりといったところまで訴求されているんですね。
社長:そうですね、そういった部分も商品の大きな価値として考えています。
当社では、墓石事業は常にお寺とともに進めてきましたから、お寺の持っている地域コミュニティとしての機能を取り戻しながら、時代に合わせたお寺づくりをコンサルティングしています。
実はその延長線上で収骨事業も手掛けていて、納骨堂や樹木葬、霊園づくりなども行っているんです。こうした事業にご興味をお持ちいただけるお寺がかなり増えてきていることもあって、コロナ禍となったここ2年くらいの間、この事業への投資を進めてきました。
今はもちろんメイン事業としてお墓の運営や寺院コンサルティングを行っていますが、こういった収骨事業もこれからさらに盛り上げていけたらいいなと思っています。
なるほど、時流に合わせてお墓だけでなくお寺も巻き込んでいくという事ですね。
そうなるとやはりご苦労も多いのではないでしょうか。
社長:まなかと一緒にビジネスをやりたいと言ってくださるお寺が多いので、あまり苦労は感じません。 ただ対等なビジネスパートナーで、お互いにできる事とできない事が違いますし、お寺の目線に合わせなければいけない事もありますから、難しいこともあります。
そういった意味では、丁寧にやりとりを進めるよう心掛けています。
「売って終わり」はもう終わり。長く繋がって点を線にしたい。
社長:こうしたお墓の販売に関連して、「安心墓」というクラウド型のお客様とつながれるサービスも提供しています。自分の所有しているお墓がどんな形で、誰が眠っていて…というようなお墓情報がスマホで確認できるもので、チャットを使ってお客様とお話ができるだけでなく、法要などのご連絡や情報発信もできるんです。
このサービスを開発したきっかけは、お墓というのが「売って終わり」になってしまう商品だと感じたからでした。
何か不安なことがあったら相談もできて、これまでは点で終わってしまったお客様とのつながりを線に昇華していけたらと思っています。
そうすることで陰ながらお客様を支えつつ、お客様の手を合わせる環境を整えるお手伝いができたらいいなと。
とはいえ、現実まだ「当社のお墓が欲しい」といって買いに来てくださるお客様は少ない状況です。仏壇や位牌は「欲しくて買いに来ました」とおっしゃってくださる方が多いんですけどね。
この状況はお墓に限った話ではなく、お葬式も同じで「まなかのお葬式が良い」と言って来てくださるお客様はまだまだ少ないです。
お葬式も会社ごとに違いや差がたくさんありますが、お墓以上にサービスの内容よりも価格や印象でとらえられることが多い商品だと感じます。
確かに葬儀の場合、お客様にはなかなかこだわりや違いが伝わりにくいでしょうから、そういった観点からとらえられることが多そうですね。
社長:そうですね。ですから差別化を図らなければならないのですが、葬儀は形のない商品ですからとても難しいんです。
そこで当社のお葬式が他の会社と違う点は何かと考えてみると、受注至上主義ではないというところが最大の違いだと思っています。
どうしても会社のゴールは受注になってしまうことが多いですが、受注というのは本来お客様との関わりのスタート、お葬式のスタートでしかありません。
それに、お客様がお葬式に何を求めているのかを考えると、葬儀中に何かイベントがあったり、心に残る何かをしたということではないんじゃないかとも思いました。
我々が葬儀のプロとしてやるべきことは、故人様と最後にしっかりと向き合える時間をご提供すること、それを徹底することではないかと思っています。お客様が後悔なく心残りのないお別れができて、そこから初めてご供養がスタートする。
葬儀会社ごとに様々な考え方があると思いますが、これがまなかのお葬式の考え方です。
ですから、そうした葬儀を提供することで、お客様が故人様へ手を合わせるスタートラインに立って頂ければ、良い葬儀が提供できたと思えるのではないかと考えています。
おっしゃる通りですね。
社長:やはりそういった葬儀を目指したいなと、ずっと強く思っています。 葬儀を行って、まずはご供養のスタートラインに立っていただく。そこから前を向いて歩いていけるような故人様との関係性を作っていただきたいというのが当社のお葬式なんです。 そういった葬儀の時間を提供することで、その後のお墓や仏壇といった長期的な繋がりまでを自然と作れるのではないか、というお考えなのですね。
社長:そういった形を作っていくことが今の一番の目標ですね。
ただやはり難しいのが現実です。墓石や墓地についても地域性がありますし、欲しくても買えない、場所が遠いということもよくあります。また当社の仏壇の場合も形が独特なものですから、「昔ながらの仏壇を購入します」という方もいらっしゃいます。
ですが、お墓を購入された方や仏壇を購入された方が、当社で葬儀をあげたいと言って来て下さることはあるのではないかと思っています。やはりお墓や仏壇はターゲットとなる属性が狭く、当社との親和性が高い方が多いので、将来的には葬儀についてもそういったお客様を獲得できたらいいですね。
【インタビュー後半はこちら】